「スペシャルティコーヒー=浅煎り」なの?

「スペシャルティコーヒー=浅煎り」なの?

最近、コーヒー屋さんでよく見かけるようになった、

「スペシャルティコーヒー」

という言葉。

なんとなく、「品質の良いコーヒーなんだろうな」

というイメージを持っている方も多いと思います。

そして、もうひとつ。

スペシャルティコーヒーのお店へ行くと、浅煎りのコーヒーに出会うことが多くありませんか?

色が明るく、フルーティー。

柑橘やベリーのような酸味があって、紅茶のように軽やか。

そうしたコーヒーを飲んで、

「スペシャルティコーヒーって、浅煎りのこと?」

と思ったことがある方もいるかもしれません。

でも実は、

スペシャルティコーヒー=浅煎り

ではありません。

今日は、そのあたりのお話をしてみたいと思います。

そもそも「スペシャルティ」って何?

スペシャルティコーヒーは、単純に焙煎の浅い・深いで決まるものではありません。

どこで作られたのか。

どのように栽培されたのか。

どのように収穫・精製されたのか。

そして、カップにしたときにどんな素晴らしさが感じられるのか。

生産から一杯のコーヒーになるまで、さまざまな要素が関わっています。

つまり、

「浅煎りだからスペシャルティ」なのではない

ということです。

浅煎り・中煎り・深煎りは、そのコーヒーをどう表現するかという「焙煎」の話です。

では、なぜ浅煎りが多いの?

ここが面白いところです。

スペシャルティコーヒーには、それぞれの豆が持っている特徴があります。

たとえば、

エチオピアなら花や柑橘を思わせる華やかな香り。

ケニアならベリーやカシスのような果実感。

中南米ならナッツやチョコレートを思わせる甘さ。

もちろん産地だけで味が決まるわけではありませんが、コーヒーにはそれぞれ違った個性があります。

その個性をなるべくストレートに表現しようとすると、浅めの焙煎が選ばれることがあります。

焙煎を深くしていくほど、香ばしさや苦味など「焙煎によって生まれる味」も強くなっていくからです。

だから、

「この豆がもともと持っている果実感や香りを楽しんでほしい」

というコーヒーでは、浅煎りが選ばれやすい。

これが、

「スペシャルティコーヒー=浅煎り」

というイメージにつながっている理由のひとつだと思います。

じゃあ、深煎りにしたら個性はなくなる?

ここで珈琲丸から、ひとつ言いたいことがあります。

深煎りだって、コーヒーは面白い。

確かに、焙煎を深くすれば味は変わります。

浅煎りで感じられた明るい酸味が穏やかになり、代わりに苦味やコク、香ばしさが出てきます。

でも、

深煎りにしたら、どの豆も全部同じ味になるわけではありません。

ケニアを深煎りにしたときの華やかさ。

アフリカの豆に感じる力強さ。

中南米の豆から出てくるチョコレートのような甘さ。

同じ深煎りでも、飲み比べればちゃんと違います。

むしろ私たちは、

「この豆を深煎りにしたら、どんな表情を見せてくれるだろう?」

と考えるのも、焙煎の面白さだと思っています。

浅煎りと深煎り、どちらが正解?

これは、とても簡単です。

好きなほうを飲めばいい。

コーヒーは嗜好品です。

華やかな香りとフルーティーな酸味が好きなら、浅煎り。

香ばしさや苦味、しっかりしたコクが好きなら、深煎り。

どちらが上というものではありません。

「スペシャルティだから酸味を楽しまなければいけない」

なんてこともありません。

せっかく品質の良いコーヒーを飲むのなら、

自分がおいしいと思う飲み方で楽しむ。

それが一番ではないでしょうか。

珈琲丸は、深煎りが中心です

珈琲丸には、深煎りのコーヒーがたくさん並んでいます。

しっかりしたコク。

心地よい苦味。

そして、冷めてきたときにも感じられる甘さ。

私たちは、そういうコーヒーが好きです。

だからといって、ただ真っ黒になるまで焼けばいいとは思っていません。

豆によって焙煎を変えながら、

そのコーヒーらしさを残した深煎り

を目指しています。

苦いだけではない。

深いけれど、香りがある。

しっかりしているけれど、もう一口飲みたくなる。

そんな一杯を作りたいと思っています。

スペシャルティコーヒーを、もっと自由に。

スペシャルティコーヒーと聞くと、

「なんだか難しそう」

と思う方もいるかもしれません。

産地。

農園。

品種。

精製方法。

焙煎度。

抽出方法。

知れば知るほど奥深い世界です。

でも、それを全部知らなければコーヒーを楽しめないわけではありません。

「これ、おいしい。」

まずは、それでいいと思うのです。

浅煎りが好きな人もいる。

深煎りが好きな人もいる。

酸味が好きな人もいれば、苦味が好きな人もいる。

スペシャルティコーヒーだからといって、楽しみ方まで決められているわけではありません。

だから珈琲丸は、

「スペシャルティコーヒー=浅煎り」ではなく、
「良い豆を、自分の好きな味で楽しむもの」

くらいに考えてもいいんじゃないかと思っています。

今日も小さな焙煎機で、

珈琲丸らしい深煎りを、少しずつ。

煎りたてのコーヒーをお届けします。

ブログに戻る