深煎りは「苦いだけ」じゃない。

深煎りは「苦いだけ」じゃない。

「深煎りのコーヒーって、どんな味ですか?」

そう聞かれたら、皆さんは何と答えるでしょうか。

おそらく、一番多いのは、

「苦いコーヒー」

ではないかと思います。

確かに、深煎りには苦味があります。

豆をしっかり焙煎することで、浅煎りとは違った力強い苦味や香ばしさが生まれます。

でも、

深煎りの魅力は、本当に「苦味」だけなのでしょうか?

深煎りを中心に焙煎している珈琲丸としては、

「いやいや、それだけじゃないんです」

と、ちょっと言いたくなります。

今日はそんな、深煎りコーヒーのお話です。

深煎りの「苦味」にも、いろいろある

ひとことで「苦い」と言っても、コーヒーの苦味はひとつではありません。

カカオのような苦味。

ビターチョコレートのような苦味。

ローストしたナッツを思わせる香ばしい苦味。

そして、口の中にじんわり残る、心地よい苦味。

深煎りの面白さは、

苦味の中にも、いろいろな表情があること。

ただ舌を刺激するような苦さではなく、その奥に甘さや香ばしさが感じられる。

珈琲丸が目指しているのも、そんな深煎りです。

実は「甘さ」が面白い

「深煎りなのに、甘い?」

少し不思議に感じるかもしれません。

もちろん、砂糖を入れたように甘いわけではありません。

たとえば、

ビターチョコレート。

キャラメル。

黒糖。

焼いたナッツ。

そんなものを食べたときに感じるような、香ばしさを伴った甘さです。

コーヒーを口に含んだ瞬間は、しっかりとした苦味。

そのあとから、じわっと甘さが追いかけてくる。

この「苦味のあとにやってくる甘さ」が、深煎りの醍醐味のひとつだと思っています。

深煎りにしても、豆の個性はなくならない

前回のブログで、

「スペシャルティコーヒー=浅煎りではありません」

というお話をしました。

浅煎りには、豆が持っている華やかな香りや果実感を表現しやすいという魅力があります。

では、深煎りにすると全部同じ味になるのか?

というと、そんなことはありません。

ケニアを深く煎ったときの、華やかさを伴った力強い味。

ウガンダのどっしりとしたコク。

グアテマラのチョコレートを思わせる甘さ。

豆によって、深煎りにしたときに出てくる表情は違います。

だから焙煎している側としても、

「この豆は、どこまで深くすると一番おいしいだろう?」

と考えるのが面白いのです。

「深く煎る」と「焦がす」は違います

ここは、ぜひ知っていただきたいところです。

深煎りというと、

「豆を真っ黒になるまで焼くんでしょ?」

と思われることがあります。

でも、

深く煎ることと、焦がすことは違います。

ただ強く焼いてしまえば、苦味ばかりが目立ってしまいます。

豆が持っていた香りや甘さも感じにくくなってしまう。

だから、どこまで火を入れるのか。

どのタイミングで焙煎を終えるのか。

そのわずかな違いで、同じ豆でも味は変わります。

苦味はある。

でも、苦いだけではない。

そのギリギリのところに、深煎りのおいしさがあると思っています。

冷めてから、もう一度飲んでみてください

珈琲丸の深煎りを飲んでいただくとき、ぜひ試していただきたいことがあります。

それは、

少し冷めてから、もう一口飲んでみること。

淹れたての熱いコーヒーでは、香ばしさや苦味が前に出ます。

ところが温度が少し下がってくると、

「あれ、さっきより甘い?」

「こんな香りもあったんだ」

と感じることがあります。

一杯の中でも、温度によって味わいが変わっていく。

これもコーヒーの面白いところです。

珈琲丸では、

冷めてきても、もう一口飲みたくなる深煎り

を大切にしています。

ミルクを入れても、氷を入れても。

そして深煎りのもうひとつの魅力が、

いろいろな飲み方を受け止めてくれること。

たっぷりの氷に注いで、アイスコーヒーに。

ミルクを加えて、カフェオレに。

もちろん、ブラックでも。

しっかりとしたコーヒーの味があるからこそ、氷やミルクに負けません。

朝はブラック。

午後はアイス。

夜はミルクを少し。

同じ豆でも、飲み方を変えるだけで違った表情を楽しめます。

深煎りは「苦いだけ」じゃない。

華やかな浅煎りも、おいしい。

酸味のあるコーヒーも、おいしい。

そして、

深煎りも、おいしい。

コーヒーは嗜好品ですから、どれが正解ということではありません。

だからこそ珈琲丸は、自分たちが好きな味を大切にしたいと思っています。

しっかりとしたコク。

香ばしさ。

心地よい苦味。

そして、その奥からじんわりと現れる甘さ。

飲み終わったあとに残る、長い余韻。

深煎りは、「苦いだけ」じゃない。

もし、

「深煎りは苦そうだから……」

と避けていた方がいたら、

一度ゆっくり飲んでみてください。

できれば、熱々のときだけではなく、少し冷めるまで。

苦味の向こう側にある、

深煎りならではのおいしさ。

そこまで味わってもらえたら、

深煎りを焼いている珈琲屋として、ちょっと嬉しく思います。

今日も珈琲丸は、小さな焙煎機で少量ずつ。

苦いだけじゃない深煎りを、煎りたてでお届けします。

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